全体ではなく部分的にせり出しやこけ込みの変状がある石積みも多くあります。
また、文化財など景観を重視する石積みや石橋などは目地に注入口を作ることは嫌われます。
そこで狭い目地部分から注入できる注入具を開発しました。
色々な形状のものがあるのですが、一番使われる頻度が高いと思われる注入具の試作品です。
先端が扁平形状で可撓性部材で構成されていることが特徴のひとつです。
目地の隙間に差し込むことでモルダムが注入できる注入具です。
室内での注入確認試験の状況写真です。
試験装置は9mm程度の隙間を想定した隙間を作ってあり、その奥に同じ幅の隙間がある状態を想定しています。
例えば大谷石の石積みに隙間があるような状態を想定したものです。
以前に実験しましたが、通常のモルタルやグラウトではこのように注入することが出来ませんでした。
これはジャミング転移が極めて少ないモルダムエースだから注入が可能であるものと思われます。
注入口から放射状に充填される模様が確認できました。
室内実験では想定された隙間を全て充填することが出来ました。
この写真は大きな変状のある石積みに注入を行って実験した状況写真です。
目地の隙間は数ミリあればしっかりと充填できることが確認できました。
この注入具とモルダムエースを使用すれば今まで注入が困難とされていた狭い目地からの注入補強が可能となるでしょう。
【この記事での知的財産権状況】
「グラウト注入具意匠登録申請番号」
意願2024-000696
意願2024-000697
意願2024-000698
「グラウト注入具及び石積補修工法の特許申請番号」
特願2024-027292
「特許番号」
石積擁壁の補強工法
特許第5686446号
石積補強工法
特許第7335622号
※「モルダム」及び「モルダムエース」は九州防災メンテナンス株式会社の登録商標です
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